全編ワンカット映像による、驚愕の臨場感。

あれ、なんか胃が“キュー”っとする。
嫌な緊張がある時の、アノ感じだ。
スクリーンを観ているだけなのに・・・

もの凄い映画体験をしてしまったのかも。

映画『1917』

第92回アカデミー賞にて撮影賞、視覚効果賞、
録音賞の3部門受賞。特殊な撮影方法で話題と
なっている『1917 命をかけた伝令』が遂に
公開となったので、早速、鑑賞した。
これまでの戦争映画とは違う、全く新しい
タイプの作品だった。

【内容】
時は第一次世界大戦、フランスの西部戦線で
ドイツ軍と連合軍が消耗戦を繰り広げる。
一進一退の戦況の後、ドイツ軍が後退し始め
る。しかし、それは罠だった。追撃準備に入
る最前線の兵士達に攻撃中止の伝令を伝えな
ければ1600名の命が奪われてしまう。重要な
ミッションを与えられた若きイギリス人兵士
2人の“一日”を壮大なスケールで描く。
兵士たちの息遣い、砂埃舞う塹壕、四方を飛
び交う弾丸・・・
まるで自分が戦場にいるkのような臨場感で
没入し、予測不能のタイム・サスペンスに
一瞬たりとも目が離せない。
(119分)

監督:Sam Mendes
脚本:Sam Mendes,Krysty Wilson-Cairns
音楽:Thomas Newman
出演: George MacKay,Mark Strong,
Dean-Charles Chapman,Andrew Scott,
Colin Firth,Benedict Cumberbatch 他

【Myチェックポイント】
映像:全編ワンカットになる様に編集され
た映像により、映画の世界に自分もいる様な
感覚に陥る。
脚本:戦地を駆け巡るだけの内容なのに、
喜怒哀楽がしっかり詰め込まれ、2時間弱が
アッと言う間だった。
音楽:最高!戦場と言う無残な映像の中
で主人公の感情をしっかり表現していた。
ファッション:全員、ほぼ軍服。

【感想】
正直、死ぬかと思った。
戦争映画は何本も観ており、毎回その悲惨さ
を痛感させられるのだが、今回は死の恐怖を
もろに実感させられた。正に全編ワンカット
による没入体験である。

最初から最後まで途切れる事なくスクリーン
を通じて、主人公と時間を共有する。彼らの
息遣いや気持ちの変化が手に取る様に分かる。
戦地を駆け抜ける命令が下された瞬間、観客
も運命のジェットコースターに乗せられる。
いつどこで殺されるかわからない状況に飛び
込む恐ろしさは、半端じゃない。
しかも、スゲー怖い音楽付きで。
序盤から僕の胃は、キューとなった。馬の死
骸やら人の死体やら殺伐とした景色の中でひ
たすら前に進む。この緊張はいつまで続くの
だろうと思った矢先にアクシデントに見舞わ
れ絶望感を味わう。生きるか死ぬかの確率は
50:50のハズなのに、気持ち的には20:80位に
なっている。この辺から、ビックリする展開
の連続。一瞬、緊張が和らぐシーンもあるの
だが・・・

驚いたのは、そんな気持ちとは裏腹に得も言
われぬ美しいシーンがあり、映像と音楽が怒
涛の波の様に押し寄せてくる。ストーリー的
に誰もが泣くであろうシーンはあるのだが、
そうではないシーンでまさかの号泣。
両隣の人が泣いている気配は、全くない。
Sam Mendes監督の演出にまんまとハマった
のは少数だったのかも知れない。美しくも悲
しい感覚は誰でも知っているだろう。それに
加えて、あの音楽。参りました。(笑)

感情をグラグラに揺さぶられ、気付いた時に
は既にクライマックス。あっという間の2時
間だった。とてもタフな内容なので観る人を
選ぶ作品だと思う。しかし、芸術性にも富ん
でもいるので強い刺激を受けたい人には特に
お勧めです。

一期一曲

今回は、映画「1917」の劇中曲から、印象的
な1曲『The Night Window』をピックアップ
します。作曲したのは、映画音楽界のサラブ
レッドThomas Newman。
「ショーシャンクの空に」、「アメリカン・
ビューティー」、007「スカイフォール」&
「スペクター」など 数々の作品を手掛ける
名手。今作でもその実力を遺憾なく発揮し、
この『The Night Window』では徐々に盛り
上がっていくオーケストラにメランコリック
なメロディーが何とも美しく心に迫ってきま
す。ここだけの話、この曲のせいで泣き虫に
なりました。(笑)