たまに、街で見かけるカッコイイ人。
男女関係なくいますよね。
全体から醸し出される雰囲気なんでしょうけど、
やはり気になるのが着ている服。
と言う事で、今回はファッションのお話です。

『メンズウェア100年史』

最近の流行と言えば、
太めのパンツにオーバーサイズのアウター。
ちょっと前だと難しかった着こなしですが、
今は大丈夫。時代によって流行は随分違います。
そんなファッションの基礎知識を増やす為に、
前から読みたかった本『メンズウェア100年史』
をやっと入手しました。

【内容】
1900~2000年にかけてメンズウェアの世界で巻
き起こった革命を、ファッション史家、キャリー
・ブラックマンの解説付きでわかりやすく紹介し
た写真集。

写真集と言っても結構な読み応え。

サヴィル・ロー(ロンドンのピカデリーの北側に
位置する通りの狭い一画の総称、19世紀初頭か
らテーラード界の中心地的存在)の上質なテーラ
ードや、耐久性のあるカーキ色の軍服、制服や
作業着で着用されていたデニムなどが、スタイル
や色使いにおいてどれだけ変化してきたかという
ことを順序だてて紹介。

読んでいて、へぇ〜と思う事ばかり。

例えば、
ダッフル・コートは、イギリス海軍用の軍服で
トッグルボタンによりフロントを留めるスタイル
は警護艦の上でグローブをはめたまま留めるのに
都合が良かったから。
とか、
古着屋で時々見るフレンチチャイナ・ジャケット
は、1960年代にヨーロッパに伝わったとの事。
中国系移民用に作られていたが、特にパリでは
反体制グループの学生達も着ていた 等々。
様々な服のルーツを知る事が出来ます。

本の構成は、1940年を境に前半と後半で分かれ
ており、特に後半は映画や音楽で目にするファ
ッションに直結しているので断然面白い。

ニューヨークを中心にジャズ演奏家やそのファン
達(アフリカ系アメリカ人やスペイン系の若者)が
確立したスタイル「ズート」は、肩パッドを入れ
た広い肩幅に尖った折り襟の極端に長いジャケッ
ト。足首にかけて細くなるだぶだぶのペッグトッ
プ・パンツを合わせたスーツ・スタイルの事。
これらを身にまとったズート・スーター達は、第
二次世界大戦中、配給制をものともせずオシャレ
していたので愛国心に欠けると非難される。

フランク・シナトラ

写真のシナトラは、ドレープの入ったパンツに
スペクテーター・シューズ、ウエスタン調の半袖
シャツとズートファッションの影響を感じさせる。

カッケー!

因みに、ドイツ占領下のフランスでも、
ズート・スーターのフランス語版「ザズー」軍団
が同様の仕打ちを受けていた。

そして、戦後ヨーロッパで続いた質素倹約生活が
終わり、1960年代には、メンズファッションの
カラフル化=色や柄を取り入れた
「ピーコック革命」へ突入。

その頃イタリアでは、前身頃の合わせがシングル
でストレートな短めのジャケットに、折り返しの
ないテーパードパンツという組合わせの「コンチ
ネンタル・スタイル」が生み出され、よりタイト
なシルエットがアメリカやヨーロッパでも登場し
始める。さらに、ローマのチネチッタ撮影所を
拠点に成長してきた映画産業を支えるスター達
も、こぞって「コンチネンタル・ルック」に身
を包む。

パリでは、ピエール・カルダンを始め、
イヴ・サン=ローランなど影響力を持つデザイナ
ーが活躍。

当然ハリウッド映画の影響も大きく、ジェームス
・ディーンやマーロン・ブランドに代表される様
にジーンズがワークウェアーからカジュアルウェ
アーになり若者達のおしゃれアイテムとなる。

その後もテディー・ボーイ、モッズ、ロッカー、
スキンズ、ヒッピーなど多様なスタイルが誕生。

左はサビル・ロー仕立てのタイトなスーツを着た
英デザイナー、右は労働者階級のダボッとした不
良少年=テディー・ボーイのスタイル。
同じ1950年代なのにかなり違いがあります。

そして、1960年代「過激な」モッズから生まれた
グループ“スキンズ”。彼らはヒッピーの事を、中
産階級のキザで退廃的なインテリ集団と生理的に
嫌悪していた。

他にも、細かく色々紹介されているので男性ファ
ッションの貴重な教材であると共に、有名人から
ストリートの兄ちゃんまで時代のファッションを
見て楽しめる写真集なので、服好きの人は一家に
一冊置いておくのもよいと思います。
気になった方は、チェックしてみて下さい。

一期一曲

今回は、写真集のカバーにもなっているイギリス
のシンガーソングライターDavid Bowieの代表曲
『Space Oddity』を。宇宙モノの映像作品でよく
使われるこの楽曲は1969年に発表されました。
時代を超えて聞き継がれている名曲です。