“ストリート・カルチャー”
皆さんは、どんなイメージを持ちますか?
若くてちょっと危険な感じ?

そんな、ストリート・カルチャーの流れを知る
のに良い一冊を見つけましたのでご紹介します。

本『STREET TRAD』

ファッションデザイナーや企業主導ではなく、
ストリートにたむろする若者たちのなかから
自然発生的に生まれたファッション。
それが、ストリート・ファッション。
大人がつくった社会規範に対する若者の反抗の
証として生まれてくる側面もあります。

『ストリート・トラッド
〜メンズファッションは温故知新』

著者:佐藤誠二朗 さん(元smart編集長)
挿画:矢沢あい さん
(「NANA-ナナ-」等手掛ける漫画家)

著者ご自身、音楽からファッションにも興味を
持ったとの事。本書も戦中、戦後から現在に至
るまでのファッションの流行と、その時々に関
係していた音楽を紹介した一冊。
服が好きな人は勿論、
音楽ファンも楽しめる内容となっています。

時代順にザックリと紹介しますと・・・

【1950年代UK:TEDDY BOYS】
テディボーイズ=ネオエドワーディアンスタイル
テディ=エドワード7世(1901-1910イギリス国王、
皇太子時代からファッションリーダー的存在)
フロックコートのように着丈が長く、衿や袖に
ベルベットをあしらった、千鳥格子かダーク
カラーのドレープジャケットに、黒かグレーの
スリムパンツ、ペイズリーや花柄などの装飾的な
ベスト、細身のタイ。1950年代ロンドンを中心と
したアンダークラス出身の派手好きな若者がイチ
早くこのスタイルを取り入れる。
テディボーイズはスーツに加え、派手な色の
ソックス、極細ネクタイやループタイ、厚手の
ゴム底靴ブローセル・クリーパーズを合わせ、
髪をポンパドールで決める。

【1950年代US:BIKERS
1950年代後半UK:ROCKERS】

1950年代アメリカではマーロン・ブランド主演
の映画「ザ・ワイルド・ワン」で見られるバイ
カーズのスタイルが誕生。ダブルの革ジャンに
ロールアップしたジーンズ、エンジニアブーツ
、Tシャツと言う出立。
それまではドレスアップする事がお洒落だった
が、ミリタリーアイテムを使ってドレスダウン
して自分達の存在を誇示した。


イギリスでも少し遅れバイカーズスタイルが流行
出し、テディボーイズは減っていく。彼らは、
エルヴィス・プレスリーやエディ・コクランなど
のロックンロールを好んで聞いた為、ロッカーズ
と呼ばれる様になる。バイカーズスタイルに
ゴーグルを付け、革ジャンにバッジやワッペン、
鋲を打つなど自分仕立てに仕上げ、ジーンズは
より細身なシルエットやブラックのものを好み
更に進化させる。

【1950年代後半US:IVY & PREPPY】
一方、1950年代後半からアメリカではアイビー
やプレッピースタイルが流行。アメリカ東部の
アメフトリーグに所属する私立8大学の学生たち
による服装から広まったIVY(校舎に蔦=アイビー
が絡まる様子からアイビーリーグと呼ばれる)、
そうした一流大学への進学コースにあるプレパラ
トリースクール(名門私立高校)の学生によるIVY
をよりカジュアルに着崩したPREPPY。共に品の
あるエリート好みのスタイル。自分達の名誉を傷
つけないように、普段から小綺麗かつ社会から
違和感を持たれない様な服装。
大学のイニシャル入りレタードカーディガンや
スウェットシャツ、セーター、スウィングトップ
など。ノーネクタイのボタンダウンシャツの上に
カーディガンやセーターを重ね、団返り三つボタ
ンのブレザーやコットンパンツを愛用。
冬場はダッフルコートを着る事も。
IVYルックはアメリカントラディショナルの正統
派で、社会への順応性を服装で表している。

【1950年代UK:MODS】

最初にモッズと呼ばれたのは、1950年代ワーキ
ングクラスのユダヤ人。モッズとはモダーンズ
を短縮した造語。米IVYを模倣したスタイルで
はあるが、決定的な違いはタイトなシルエット
にある。フロントダーツによってウエストを絞
り込み、体にぴったりフィットする構造に。
ジャケットは5inchのサイドベンツと狭いVゾー
ン、パンツも極限まで細くノータックでなけれ
ばならない。1951年アメリカ軍が採用したM-51
と言うミリタリーパーカ=モッズコートを好む。
音楽ともリンクしていて、The Kincks、The Yardbirds、The Who、The Small Faces、
The Spencer Davis Groupと言ったR&Bを下地
にしつつも、ロックンロールとは異なる音を奏で
るロックバンドが支持された。

面白い事に、The BeatlesやThe Rolling Stones
はモッズには支持されなかった。ビートルズの
前身The Quarry Menはロッカーズやテディー
ボーイズファッションに身を包んで、スキッフル
やロックンロールを演奏するリバプールの田舎者
、ストーンズはR&Bを猿真似する稚拙なバンド
と見なされていた為。
その後、イギリスではSkin HeadsやGlam等を
経てPunk、New Romantics、Gothなどが生ま
れていく。より詳しく知りたい方は、是非この
本を手に取って欲しい。

前述した通りこの本は、音楽カルチャーについて
の言及が多い。読んでいて興味深かったのは、
B-Boyのパート。

【1980年頃US:B-Boy】
B-BoyのBはBreakdanceのBが語源と言われてい
て、アディダスのジャージにカンゴールのハット
、太いゴールドのネックレスや指輪、そしてひも
を抜いたアディダスのスーパースターと言う出で
立ち。B-Boyと言えばHip-Hop。
Hip-Hopは、NYサウスブロンクスの黒人コミュ
ニティから生まれたカルチャー。
・1970年代前半-1983年頃のオールドスクール
・1984年頃-1987年頃のミドルスクール
・1987年頃以降のニュースクール
に分類される。
個人的に良く聞く、DeLaSoulやA Tribe Called
Questなんかはニュースクール。Jazz色の強い
Hip-Hopを好んで聞いていただけだったので改
めて、Hip-Hopについて知る事も出来ました。

【1980年代以降US:SKATER → GRUNGE →
MESSENGERS → NORMCORE → HIPSTER】

80年代後半以降になると僕自身体験しているカ
ルチャーも多く、米西海岸から始まったサーフィ
ンやスケボー由来のカルチャーSkater
オーバーサイズ気味の古着のランバージャック
シャツやネルシャツをTシャツの上に重ね着、
あるいは長袖のTシャツの上に半袖Tシャツを
重ね着し、ショートパンツや極太のバギーパンツ
を穿くスタイル。

1990年代に入るとNirvanaを中心としたGrunge
が登場。着古して擦り切れたネルシャツやTシャ
ツ、毛玉だらけのカーディガンと言った服を無造
作にレイヤードしていく重ね着と着崩したスタイ
ル。ボトムスはカーゴパンツやボロいGパン。

日本ではこの頃、ア・ベイシング・エイプを始め
とした裏原宿ブランドが流行。

2000年代中頃になると新たなストリートカルチ
ャーとしてノーブレイキのピストバイクに跨る
MessengerがNY、サンフランシスコ、東京、
ロンドンに出現。スケーター風のスポーツスタ
イルをベースに、スパッツやキャップ、そして
メッセンジャーバッグが加味される。
ただ、ご存知の通りノーブレイキへの批判が高
まり次第に下火に。

2013年-2014年頃には、Normcoreと言う新しい
スタイルが注目を集め始める。

Normal+Hardcoreの造語で、究極の普通とな
るトレンド、代表的な人物はSteve Jobes。
ベーシックでシンプルなデザインの服やファッ
ションアイテムを意識的に選択し、自分なりに
着こなす。シャネルやグッチは不要でユニクロ
や無印、H&M、ギャップ等のファストファッ
ションや、メジャーなスポーツ系、アウトドア
系ブランドの方がクールとされた。

そして現在進行形のHipsterと言うスタイル。

オーセンティックなチェックのネルシャツや
スウェットパーカー、カーディガン、スキニ
ーデニムやくるぶし丈のチノパン、あるいは
スウェットパンツが好み。ニットキャップか
ベースボールキャップをかぶり、職人メイド
のだてメガネかサングラスをかける。
靴は、ニューバランスやコンバース、リーボ
ックのスニーカー、あるいはワークブーツか
アウトドアブーツ。シンプルなデザインのカジ
ュアルウェアを、ゆるく、さりげなく着こなす。

大まかにこの様な流れで、戦後の世界的なスト
リートファッションの動向を分かりやすく紹介
してくれています。多かれ少なかれ何らかのス
トリートカルチャーに誰しもが影響を受けてい
ると思います。そんなストリートカルチャーの
全容を掴む読書体験はとても楽しかったです。
また現在の自分のスタイルが、どのカルチャー
から強く影響を受けているのかも分かるので、
自分のスタイルを確立するのに一役かってくれ
ると思います。
気になった方は、チェックしてみて下さい。

一期一曲

今回はモッズカルチャーを代表するバンド
The Small Facesの名曲『Sha La La La Lee』を
。ブリティッシュロックを聞かせてくれるクラブ
ではよく耳にするこの曲。未だに色褪せません。