「聞く本」
オーディオブックを使って8ヶ月。
はじめて小説にチャレンジしました。

オーディオブック
『三体』

歩きながら耳で本を楽しめるとい
う事で、移動時に重宝してきたオ
ーディオブック。これまでに
哲学、人類学、自己啓発の3分野
を聞いてきましたが、どれも高い
満足を得られています。
そして今回、昨年の夏に日本語版
が出版され話題となっていたSF小
説『三体』を拝聴。小説は、オー
ディオブックで一番楽しめるジャ
ンルではないかと予想していたの
で、実際はどうだったか書いてい
こうと思います。

【内容】
尊敬する物理学者の父・哲泰を文
化大革命で亡くし、人類に絶望し
た中国人エリート女性科学者・葉
文潔。彼女が宇宙に向けて秘密裏
に発信した電波は惑星〈三体〉の
異星人に届き、驚くべき結果をも
たらす。現代中国最大のヒット小
説にして《三体》三部作の第一作

シリーズ合計2100万部突破、現代
中国最大のヒット小説。アジア&
翻訳ものとして初のヒューゴー賞
を受賞していてオバマ元大統領も
愛読していたとの事。

著者の劉慈欣(リュウ・ジキン)さん
は、なんと1999年から2006年まで
8年連続で中国のSF最高賞と称され
る中国銀河賞を受賞しています。
2006年の受賞は本作でした。

【オーディオブックで小説】
日本語版の本では448頁。
オーディオブックで17時間31分。
僕は 1,25倍速で聞いていたので
それでも約14時間。
徒歩移動の時だけ利用したので、
全部聞き終わるまでかれこれ3週
間ほどかかりました。

で、最初は登場人物が多くしかも
中国名と言う事もあり、誰が誰だ
か掴み切れぬまま進んでいく感じ
。本であれば前の頁にも簡単に戻
れるのですが、オーディオブック
は戻って聞きなおす気になれない。

「ん!?」
予想と違ったかと思い、等倍速に
変えても中々頭に入ってこない。
少し聞き続けると、言論の自由が
ない共産主義国の痛ましい情景だ
けは頭に浮かんでくる様になる。
耳が慣れるのに多少時間がかかっ
たのでしょう。次第に感情移入も
出来る様になり思い切って1,5倍
速にしてみましたが、ちょっと早
すぎる。結局、僕には1,25倍速が
丁度良い事が判明し以降ずっと1,2
5倍速。本の読むスピードを変える
のは大変ですが、オーディオブック
は簡単に速度を変えられるのでその
点は便利です。

時代設定は文化大革命期から1980年
代頃まで。天体物理学やニュートン
力学と言った科学ネタも不断に盛り
込まれ、又、ヴァーチャル・リアリ
ティの話も出てきて近未来を描くSF
小説の世界にどっぷり浸かる。しか
も、サスペンス要素も出てきてドキ
ドキ。最終局面にきて謎が解けてい
く気持ちよさ、そしてもうすぐ終
わってしまう寂しさ、と本を読ん
でいる時と同じ様な感覚に陥りま
す。そして、最後は「成程っ!」
と思わず心で呟きつつ爽やかな
感動を味わいました。

結局、耳を慣らす必要はありまし
たが大満足。ただ、予想に反して
オーディオブックで一番楽しめる
ジャンルが小説だったと言う結論
にはなりませんでした。ジャンル
に関係なく面白い作品は本もオー
ディオブックも関係なかったです。
オーディオブックは、時間をより
有効に使いたい人、または本を読
むのが苦手な人には特に使えるア
イテムになるでしょう。

因みに、ナレーターは祐仙勇さん
と言う方が担当。1人の人の声で、
何10人もの登場人物を演じられ
るその表現力にも感動しました。
人の声って凄い!

一期一曲

今回は『三体』からインスピレー
ションを受け日本のロックバンド
The Birthdayの『さよなら最終兵
器』をピックアップします。
まったくの個人的な感想ですが、
三体=最終兵器のイメージと内容
がこの曲とシンクロしてる気がし
ています。