ディスコからクラブ、そしてフェスと進化し続ける「ダンスミュージック」。
その次は・・・

ダンスミュージックの可能性

新しい音楽探しにネットサーフィンをしていると、
たまたまYouTubeで今年7月に開催された「トゥモローランド」の映像を発見。
「トゥモローランド」は、
2005年にベルギーでスタートした野外ダンスミュージック・フェスティバル。
観客1万人程度の小規模ではじまり
現在では40万人が来場する世界最大規模のフェスになっています。
20代の頃からダンスミュージックの虜になっている僕にとっては
一度は行ってみたいフェスの一つ。
早速、出演DJのプレーを見てみると
“今、こんなサウンドが流行っているんだ” とか、
“おぉ、まだあの曲かけるんだ” とか色々な発見が。
クラブ通いしていた頃から思っていたのですが、
最先端のサウンドを知るにはダンスミュージックを聞くのが1番。
クラブで流行ったサウンドは数年後にメジャーの楽曲に取り入れられ世に広がる、
そんなイメージがあるからです。

フェスの映像から流れてくる楽曲、そして踊りまくっている人々。
まさにトランス。
科学的には、視聴覚器官を通して脳内神経が刺激され、
脳内麻薬物質(エンドルフィン)の作用でドーパミンを多量に放出している状態。
「理性が沈静化し、本能が突出した状態」、
いわばドラッグをやった時に近い感覚を味わっているとも言われています。
多くの人がハマるのも納得。

歌モノの歌詞に浸るのは分かりやすいのですが、
インスト(歌無し)の楽曲で延々と踊り続けるあの感じ・・・
あれは、美術鑑賞に似ていると思うんです。
絵を見たり彫刻を見たりしている時は、
視覚を通して頭の中で作品と会話すると言いますか自分なりに解釈をする。
インスト曲は、歌モノより抽象的なのでより想像力が必要。
聴覚を通して頭の中で音と会話して自分なりに解釈する。
音楽もアートと言われる所以でしょう。
ただ、「トゥモローランド」の演出を見てもそうなのですが、
ヨーロッパの人達には関心させられます。
舞台演出を駆使したアート空間とダンスミュージックを結びつけて
一大エンターテイメントを作り上げるあの想像力。
ドイツやフランスでもアート性の高いロケーションに
音響システムを持ち込みDJがプレーするイベントが超満員。
仕掛ける側がセンスある演出をすれば参加する人の感性も当然、磨かれます。
アメリカ人の力強い感じとは違い、
アートが身近にあるヨーロッパ人の強さと言うか洗練された表現力。
物に溢れた時代だからこそ、合理的なだけでなく
洗練された表現力が求められるのではないでしょうか。
そう考えますと、今後もダンスミュージックはアート色の強い演出と結びついていく可能性が高いでしょう。

ある本に書いてあったのですが、日本の美術館入場者数は世界で9位。
日本人にとってアートは身近な存在とは言い難い状況です。
だからこそ、
ダンスミュージック+アート性の高いロケーションの組み合わせで
イベントを増やしていくのは日本人にとっても悪い事ではありません。
例えば、美術館とダンスミュージックがコラボして美術館に足を運ぶ人を増やすのも一つ。
いかに日本人の感性を磨くキッカケを作れるか。
そう言った視点で物事を考えるのは大人の日本人として大切な気がしますし、
ダンスミュージックには大きな可能性があると思います。

一期一曲

今回は、Tomorrowlandで特に気になった1曲をピックアップ。
ベルギー出身のDJ/プロデューサーLost Frequencies。
EDMがお好きな方ならご存知だと思いますが、
YouTubeでパフォーマンスを見て始めて彼の楽曲の持つパワーを知りました。
因みに、彼は自身の音楽を
「インディーダンス(=インディーロック+ダンスミュージック)」と呼んでいます。
そんなLost Frequenciesの『Like I love you』を。
MVもいい感じです。