新型コロナウイルスへの日本政府
の対策に賛否が分かれていますが、
日本組織の研究をした本を読みま
した。なんだか今も昔も変わって
いない様な・・・

本『失敗の本質』

タイトルは、『失敗の本質』。
1991年に6人の大学教授の共著として
出版されたモノです。個人的に、日本
人の特徴について長年考察しています
が。そん中、ずっと読みたかった一冊
。サブタイトルは、“なぜ日本人は空気
に左右されるのか?” です。

【内容】
大東亜戦争での日本軍が敗戦に向か
う分岐点となった6つの作戦(ノモン
ハン事件・ミッドウェー作戦・ガダ
ルカナル作戦・インパール作戦・レ
イテ海鮮・沖縄戦)を検証。諸作戦の
失敗を、組織としての日本軍の失敗
ととらえ直し、これを現代の組織一
般にとっての教訓として、戦史を初
めて社会科学的に分析。

【感想】
色々な意味で読むのが大変な本でし
た。前置きとして、日本がなぜ戦争
を避ける事が出来なかったのかと言
う内容ではありません。また、反戦
を高らかに謳うモノでもありません
。戦争中の作戦を細かく分析した、
日本軍の組織論的研究です。
学術書的な意味合いもあるので、表
現が固い。また、知識が多少ないと
状況を想像するのに時間がかかる。
そして、読んでいてなぜか腹が立っ
てくる。

「日本軍は6つの作戦のすべてにお
いて、作戦目的に関する全軍的一致
を確立することに失敗している。」

と本書にある用に、意思疎通の方法
が今でいう“忖度”に頼りすぎていて
大事な議論でのコミュニケーション
が不足していた。

「精神主義により、敵戦力の過小評
価と自己戦力の過大評価による学習
を軽視した組織。」

日本人の精神力の強さはアメリカ人
も認めている所だが、司令官までも
気合だけで乗り切ろうとする偏った
思考。負け戦から多くの事を学ぶし
たたかさの欠如。これらは、致命的
です。切腹も厭わない文化があった
だけに、人の命を良くも悪くも軽視
した作戦が横行する。通用しない事
が分かっていながらも、万が一に賭
け、ダメだった時の代替案も用意し
ていなければ負けのリスクが高まる
ばかり。

この本も僕自身も日本軍を誹謗中傷
する目的は全くありません。
ただ、こんな状況で先祖が戦いに挑
んでいた事を考えると、得も言われ
ぬ無念さが残ります。

本書は、日本人として敗戦から学べる
事をしっかり学び、今後の日本社会に
活かすために書かれたモノ。
今の日本でも活用できる教訓が沢山あ
ります。個人的には、感情よりも冷静
な分析と、忖度抜きの前向きな議論は
、いまだに大きな課題として残ってい
る気がします。いずれにせよ、同じ失
敗を繰り返さない為にも、歴史から学
ぶ事は大切です。興味ある方は、一度
読んでみて下さい。

一期一曲

今回は、吉田拓郎さんの名曲『唇を
かみしめて』です。若い人はご存じ
ないかも知れませんが、武田鉄矢さ
んが主演した映画『刑事物語』シリ
ーズ(1982-87)の主題歌。歌詞がとに
かく素晴らしく、忘れてはいけない
何かが描かれている気がします。