いい映画に出会うと自分の中の何かが変わる。
誰もが経験する事だと思います。
今回はそんなお話・・・

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

たまたま時間ができたので、映画を観ることに。
探していると、第89回アカデミー賞主演男優賞・脚本賞受賞、
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』・・・知らない。
マンチェスター、イギリスの話かな?
アカデミー受賞作だし、他に観たい作品もなさそうなので観てみる事に。
この時はまだ気づいていませんでしたが、当たりくじを引いていました。

プロデューサーは、マット・デイモン。
監督・脚本は、『ギャング・オブ・ニューヨーク』で
アカデミー賞脚本賞にノミネートされたケネス・ロナーガン。
主演は、ケイシー・アフレック(ベン・アフレックの弟)。
なぜこの作品を見逃していたのか?
この年のアカデミー賞は、作品賞の『ムーンライト』と
最多受賞の『ラ・ラ・ランド』が話題をさらっていたからです。
因みに、マンチェスター・バイ・ザ・シーは
アメリカ・マサチューセッツ州にある町の名前。

【ボストン郊外でアパートの便利屋として働く主人公のもとに、
ある日一本の電話が入る。故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーにいる兄が
倒れたという知らせだった。車を飛ばして病院に到着するが、兄は1時間前に
息を引き取っていた。遺言には、彼の一人息子の後見人になる事が書いてあり戸惑う。
特別な思いで故郷を離れた主人公にとってマンチェスター・バイ・ザ・シー
に戻ることは過去の悲劇と向き合うことを意味していた。
主人公は、なぜ誰にも心を開かず孤独に生きるのか。
そして甥と一緒に、この町で新たな一歩を踏み出すことができるのだろうか?】


静かで美しい映像にクラシック調の現代音楽が心地よい。
全体的にたんたんとしたシーンが多いので、
激しさを求める人にはちょっと退屈かもしれません。
ある出来事をキッカケに心が大きく揺さぶられ始め、最後は穏やかな気持ちに。
日常の中にある繊細な心の動きを丁寧に描く大人の映画と言った印象です。

特に心に残っているのは、
優しさに触れた時のアノ温かい感じがジワジワと湧き上がってくる感覚。
優しさには、“直接的に相手を働きかけるもの”と、“間接的に相手に及ぼすもの”
があると思うのですが、この作品は圧倒的に後者。
気付きにくいので一瞬見落としそうになるのですが、
色々考えていくと後から後から感動が押し寄せてきます。
忍耐力に裏打ちされた背中で語る優しさ、是非、学びたいものです。

今回も自分が経験したことのない心の葛藤を疑似体験。
新たな価値観を知ることができた気がします。
これこそ映画の醍醐味なのではないでしょうか。

一期一曲

今回は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』とは関係ありませんが、
大人の1曲として個人的にお気に入りのアーティスト、
ルドヴィコ・エイナウディの楽曲をピックアップ。
イタリアのピアニスト/現代音楽家ルドヴィコ・エイナウディ。
クラシックをベースにあらゆるジャンルを取り入れ映像的で美しい
ミニマルミュージックを作り上げています。
映画「最強のふたり」(2011年)の音楽制作を手掛けた
作曲家ピアニストとしてご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そんな彼の楽曲の中でも1推しのこの曲を『I Giorni』。